そうくんログWritten by そうくん

現金だけで出店していた頃の話|キャッシュレス比率が1割から6割になるまで

※この記事にはプロモーションを含みます。

売上が落ちたことには気づけます。売れなかったことには気づけません。

うちはタレント事務所を経営しながら、2020年からイベントで物販をしています。今は月20回ほど出店していますが、始めた当初は現金しか用意していませんでした。この記事は、そのときに何が起きていたのかという話です。

「キャッシュレスなら買えるのに」と言われ続けた

物販を始めた頃、レジは現金だけでした。釣り銭を用意して、それで足りると思っていました。

実際に起きたのは、こういうことです。

  • 「PayPay使えますか」
  • 「カードは?」
  • 「キャッシュレスなら買えるのに」

体感で、2割ほどのお客さんからこう言われていました。 5人に1人です。そのたびに、買う気があった人を帰していたことになります。

そして、これは口に出した人だけの数字です。何も言わずに離れた人を含めれば、実際の取りこぼしはもっと多いはずです。

機会損失が最も危険な理由

在庫が余れば、棚を見れば分かります。経費が増えれば、帳簿に出ます。機会損失だけは、どの数字にも出てきません。

売上の数字を見ても、その日の売上は出ています。足りなかった分は、どこにも表示されません。

しかも痛いのは、単価が高いほど損失が大きくなることです。うちの場合、取りこぼしていた層の単価は5,000円くらいでした。1,000円の商品なら財布に現金がある人も多いですが、5,000円になると「今は持っていない」という人が一気に増えます

1回のイベントで数人取りこぼせば、それだけで数万円です。それが月20回続いていました。

導入して何が変わったか

キャッシュレスを導入した直後、売上は体感で1〜2割ほど増えました。

正確に計測したわけではないので体感の数字ですが、明確に増えたという実感はありました。それまで断っていた人が、そのまま買ってくれるようになったからです。

さらに面白かったのは、そのあとの推移です。

時期 キャッシュレス比率(体感)
導入直後 1〜2割
現在 6割

導入した当初は、まだ現金で払う人が大半でした。比率が上がったのは、うちが何かをしたからではありません。

  • 使えるサービス(カード・PayPayなど)が増えた
  • 「イベント物販でもキャッシュレスが使える」という認識が広まった

この2つが効いています。つまり、時間とともに、現金しか用意していない店の取りこぼしは増え続けているということです。

うちが導入したのは2021年頃ですが、今から始める人は、当時よりも取りこぼしが大きい状態からスタートすることになります。

うちが端末を選んだ順番と理由

参考までに、どういう順番で何を選んだかを書いておきます。

2021年頃:Airペイ

最初に選んだ理由は3つです。

  • 基本料金がかからない
  • 手数料が安い
  • 導入しやすい

物販の売上が読めない段階だったので、固定費が出ないことを最優先にしました。これはネットショップを選んだときと同じ判断です。

2024年頃:PayCAS

使える決済サービスの種類が多かったことが決め手でした。

QRコード決済で払う人が明らかに増えてきた時期で、対応している種類の多さが、そのまま取りこぼしの少なさに直結します。

2025年:Square

契約から使用開始までの期間が短く、入金サイクルが最も早いのが理由です。

新しい現場が急に決まって、すぐ用意しなければならないことがあります。そういうときに、申し込んですぐ使えるかどうかは重要です。

3つとも、選んだ理由が違います。 一番いい端末があるのではなく、そのときの制約に合うものを選んだ結果です。詳しい比較は決済端末は機能より電波で選ぶに書いています。

これから始める人へ

現金だけで始めること自体は、悪いことではありません。初期費用をかけずに試すのは正しい判断です。

ただ、次のどれかに当てはまるなら、早めに用意した方がいいと考えています。

  • 単価が数千円を超える商品を扱っている(うちの取りこぼしは単価5,000円前後の層でした)
  • まとめ買いをする客層がいる
  • 「使えますか」と一度でも聞かれたことがある

3つ目が特に重要です。一度聞かれたということは、同じことを考えて何も言わずに離れた人がいるということです。声に出す人の方が少ないので。

端末を入れれば解決、ではありません

なお、決済端末を入れれば安心という単純な話でもありません。通信が届かない会場では、端末があっても使えません。

うちは地下2階のライブ会場でこれを経験しています。設営時に気づいて現金対応に切り替えましたが、販売中に発覚していたらもっと損をしていました。

そして今も、現金の準備はやめていません。1,000円札を多めにして10万円ほど用意しています。通信が落ちた瞬間に売上がゼロになるのを避けるためです。

キャッシュレスは現金の代わりではなく、取りこぼしを減らすための追加手段だと考えています。

まとめ

  • 売り逃しは数字に出ない。 だから気づけないし、放置すると漏れ続ける
  • うちは2割ほどのお客さんから「キャッシュレスなら買えるのに」と言われていた
  • 導入直後、売上は体感で1〜2割増
  • キャッシュレス比率は当初1〜2割から現在6割へ。時間とともに現金だけの店は不利になっている
  • 単価が高いほど損失が大きい。うちの取りこぼしは5,000円前後の層だった
  • 端末を入れても、通信が落ちれば止まる。現金の準備は残しておく