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ネットショップの返品ルールは書けば自分で決められます|書かないと8日間の撤回権が発生します

※この記事にはプロモーションを含みます。

ネットショップを始めるとき、返品をどうするかは後回しになりがちです。うちもそうでした。

返品のルールは、自分で決められます。 そして決めなかった場合は、法律のルールが適用されます。「決めていない=返品を受けない」ではありません。 ここが逆に理解されやすいところです。

うちはタレント事務所を経営しながら、2020年から月20回ほどイベントで物販をしていて、ネットショップも併設しています。この記事は、返品の扱いを調べたときのまとめです。

書けば自分のルール、書かなければ法律のルール

通信販売には、返品特約という考え方があります。返品に応じるかどうか、応じるならどんな条件か、というルールを事業者側が決めて広告に表示するものです。

特定商取引法にこう定められています(法第15条の3)。

  • 返品特約を広告に表示していれば、その特約が優先される
  • 表示していなければ、法律の定めが適用される

法律の定めというのは、こうです。

消費者が商品の引渡しを受けた日から数えて8日以内であれば、契約申込みの撤回または解除ができます

送料は購入者の負担です。ここは事業者に有利な部分ですが、返品そのものは受けることになります。

「返品不可」と決めることもできます

重要なのは、特約を表示すれば返品を認めない設定にもできるという点です。

消費者庁のガイドラインには、返品を認めない場合の書き方まで示されています。

商品に欠陥がある場合を除き、返品には応じません

つまり選択肢は2つではなく、書くか書かないかで結果が変わるということです。

結果
返品特約を表示した 表示した内容が適用される(返品不可も可能)
表示していない 引渡しから8日以内は撤回できる(送料は購入者負担)

書かないことで返品を防げるわけではありません。書かない方が、受ける範囲は広くなります。

書き方には要件があります

ただ書けばよいわけではなく、表示の方法まで定められています。

施行規則では「顧客にとつて見やすい箇所において明瞭に判読できるように表示する方法その他顧客にとつて容易に認識することができるよう表示すること」とされています。

特に明瞭に書くべき3点

ガイドラインは、次の3つを「返品特約における重要事項」としています。返品トラブルの主な原因だからです。

  1. 返品の可否
  2. 返品の条件(期間など)
  3. 返品に係る送料負担の有無

この3点は、他の項目より明瞭な方法で表示する必要があります。

埋没させない

ガイドラインには、具体的な方法まで書かれています。

商品の価格や申込先の電話番号等、消費者が確実に確認すると考えられる事項が表示されている箇所の近くに表示することや、他の事項と区別がつくよう、「返品に関する事項」等の表題を掲げて区分した上で、その区分に返品特約について表示する

申込方法や振込方法に紛れて埋もれる置き方は認められません。 色文字や太文字を使う、価格と同じ文字サイズにする、といった例も挙げられています。

「都度ご相談」は不可

曖昧な書き方も認められていません。

具体的にどのような場合であれば返品に応じるのかが不明確

「その都度ご相談に応じます」はこれに当たり、表示したことになりません。 書いたつもりで要件を満たしていない状態になります。

うちは決めていません

正直に書くと、うちはネットショップの返品ルールを自分で決めていません。

理由ははっきりしていて、主戦場がイベントの現場だからです。月20回出店していて、売上の大半はその場での対面販売です。ネットショップは併設で、返品の相談が来たことがほとんどありません。

起きていない問題に時間を使わない、という判断としては間違っていなかったと思っています。固定費をかけずに試行回数を増やすという考え方でやってきたので、発生していないことへの備えは後回しにしてきました。

ただし今回調べて、判断の前提が違っていたと分かりました。

決めていない状態は、何も起きていない状態ではありません。 8日以内の撤回を受ける状態が、すでに適用されています。「決めていない」のではなく「法律の内容で決まっている」というのが正確です。

現場で売れた分については通信販売に当たらないので関係ありませんが、ネットショップの分にはこのルールが効いています。

決めるときに考えること

では何を基準に決めるか。業態によって答えが変わります。

返品を受けにくい商材

イベント物販でよくあるのは、こういうものです。

  • その日限りのグッズ(再販しない)
  • チェキやサイン入りの一点もの
  • 受注生産のもの

これらは返品されても再販できません。在庫として戻らないものは、返品を受けると損失がそのまま残ります。 この場合は「商品に欠陥がある場合を除き返品不可」と明示する合理性があります。

返品を受けやすい商材

一方で、定番で再販できるものは事情が違います。返品されても在庫に戻せるので、返品を受けられる方が買いやすくなります。

返品を受けない設定は、購入のハードルを上げる方向にも働きます。 単価が高いものほどこの影響は大きくなります。

決め方の順番

  • 扱っている商品が再販できるかを分ける
  • 再販できないものは、返品不可を明示する
  • 再販できるものは、期間と送料負担を決めて表示する
  • 「可否」「条件」「送料負担」の3点を、価格の近くに区分して書く

うちもこれから、現物のグッズと受注生産のものを分けて決めます。 決めた内容は追記します。

まとめ

  • 返品ルールは書けば自分で決められる(法第15条の3)
  • 書かなければ、引渡しから8日以内の撤回が適用される(送料は購入者負担)
  • 「書いていない=返品不可」ではない。 書かない方が受ける範囲は広い
  • 返品不可にする場合も、その旨を明示する必要がある
  • 明瞭に書くべきは**「可否」「条件」「送料負担の有無」の3点**
  • 「その都度ご相談」は表示したことにならない
  • 判断の基準はその商品が再販できるかどうか

※この記事は2026年9月7日時点で消費者庁の公表資料を確認して書いています。制度は改正されることがあり、個別の判断は取引の実態で変わります。実際の表示内容は消費者庁の最新資料か、専門家にご確認ください。

参照した資料